相続による不動産の名義書き換え
相続で不動産の名義を譲り受けることになった場合、登記名義を変更するために相続登記をする必要があります。相続登記には期限はありませんが、相続登記をしないでそのまま放置していると、次に説明するように思いがけないことで問題となることがあります。なお、相続登記を行うには戸籍等の収集に1~2ヶ月程度かかることがありますので、早めにご準備されることをお勧めします。
- 相続関係が複雑に!
- 相続登記を放置している間に、さらに相続人にご不幸があると、相続人の数が増えて相続関係が複雑になります。新たに相続人となった人の介入により話し合いがこじれてしまったという事例は少なからずありますので早めの登記をおすすめします。
- 他の相続人の債権者も関与!?
- 相続登記を放置していると、他の相続人の債権者が法定相続分に基づく相続登記をし、その持分に差押の登記をすることがあります。このように当事者だけでなく第三者も関与してくることもあります。
- 遺言書があっても安心できない!?
- 遺言書があるから相続登記しなくても大丈夫?
そんなことはありません。知らない間に、他の相続人が遺言書と違う 内容の相続登記をしていた!ということもあるのです。
相続放棄
亡くなられた方の財産(プラスの財産)よりも債務(マイナスの財産)が多いため相続したくない場合は、相続放棄をすることによって財産を相続しないかわりに債務も免れることができます。
逆に言うと期限内(民法915条:自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内)にこれをしないと財産・債務の単純承認ということで、後々債権者から債権の取り立てがあった場合は支払わなければなりません。
※なお3カ月の期限が過ぎてしまった(と思われる)場合でも、ケースによっては相続放棄をすることが可能な場合があります。これに該当する場合、綿密な打ち合わせが必要ですのでまずはご相談ください。
遺言
この先、いつ何が起こるかは誰にも分かりません。元気でいるうちに遺言を作成しておけば、相続の時にご自身の意思を反映させることができ、また親族間の紛争を防ぐことができます。
遺言には、「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」、「公正証書遺言」の3種類があります。
なかでもその効力発生時に手続が煩雑ではなく、また、遺言書として最も信頼できるのが公正証書遺言です。
当事務所では、遺言書の作成を考えておられる方には公正証書遺言の作成をお勧めしております。
遺言は、故人の生前における最終的な意思表示です。しかし、どのように遺言を書けばいいのかわからない人も多いでしょう。
特に以下のようなお悩みがある方は、当事務所へご相談ください。
- お子さんがおられない方。
- 内縁の配偶者がおられる方。
- 後妻さんがおられる方。
- ご商売をされている方。
- 相続人に行方不明者がいる場合。
遺言書の種類
普通方式の遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がありますが、通常利用されているのは、下記の2つのタイプの遺言です。
自筆証書遺言
遺言者が全文、日付、名前を自筆で記載し捺印することで効力を生じますので、費用がかかりません。しかし、専門家に相談されずに作られるケースが多いため、後日、文章の解釈で問題が生じたり、紛失や改ざん、未発見等の心配があります。また、要件を満たしたものでなければ、遺言自体が無効になる恐れがあります。さらに、遺言者が死亡したときは、その遺言書を開封するために裁判所に対して「検認」という手続きを申し立てなければなりません。
公正証書遺言
「公証人役場」において、公証人が遺言者の意思を確認した上で作成します。多少の費用は掛かりますが、遺言書の原本は公証人が保管しますので、紛失したり、内容が第三者に漏れる心配がありません。
また、開封に際して自筆証書遺言のような「検認」の手続きを行う必要もありません。遺言書の原案作成と公証人との打ち合わせは、司法書士が代行して行うことが可能です。公証人役場に出向くのが困難な人には、公証人に出張してもらう方法により作成することも可能です。